不器用な先輩
2
次の日も先輩は私の家まで向かえに来てくれて、一緒に登校した。
先輩と門で別れ、いつも通り下駄箱に向かう。
上履きに履き替えようとしたとき、一つ画鋲が入っているのを見つけた。
危ないな~
と思いながらも、その画鋲を取り出して、下駄箱の上にある掲示板のところに刺しておいた。
画鋲が落ちているのは、珍しいことではないしそんなに気にするわけでもなかった。
クラスにつくと、真由子が
「大丈夫だった?」
と深刻な顔をして言う。