私(獣師)と、あいつ(神獣)




弥生は、一つ、深呼吸をすると、床一面に描かれた陣の中へ、足を入れ
真っ直ぐ、陣の中央へ向かう。












「・・・・・・よし。」
















中央で、立ち止まり、弥生は、持っていた札を両手に置いて、前へ突き出した。


















「・・・・・・封印されし神獣よ、獣師、神崎弥生が病めるときも、健やかなるときも
服従心を持って、生涯、主と敬い讃える事を誓いなさい。」















・・・・・・・・・何か、これ、教えて貰った時も思ったけど、結婚式の誓いの言葉じゃない?
いや、でも、結婚式は、「誓いますか?」って疑問形だけど、これは「誓いなさい。」って命令形だもんねー。















と、弥生が首を傾げていると









ビュオォオオオオっ!!!!
















「うわっ!」















突如、大きな突風が巻き起こり、弥生の手の中にあった札は炎に包まれた。



















「す、すっごい・・・!」




















札は、弥生の手を離れ、弥生の目の前で、炎に包まれながら宙に浮いていた。














一体、どんな神獣が・・・・・・・ッ!!!!














弥生は、顔を強張らせ、シッカリと目を凝らす。

















































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