私(獣師)と、あいつ(神獣)
参・相性最悪
唖然と、そこに立ち尽くす弥生。目は、驚きで見開かれ、只、固まっていた。
干支も目を見開き絶句している。
炎が消え、霧のような煙も晴れて、改めてその姿が現れた。
そしてそれは壱億分の壱の確率で、当たって欲しくなかった現実。
《男》の神獣は、きょろきょろと辺りを見回し、深紅に染まった、宝石の様な鋭い瞳に弥生を入れる。と、嘲笑うかのように顔を歪め
「へぇ・・・、おい女。異性の神獣を召喚するなんて、なかなかやるじゃねーか。
しかも、この俺様を召喚するなんてな。久しぶりの、外の世界だぜ。
・・・・・3百年・・・ぶり位、か。」
ハンッと鼻で笑い、思い切り体を伸ばす。
「けど、こんな小娘が、これからの俺の主かよ・・・・。単に運が良かっただけじゃねーのか?」
と、溜息をつき、嫌そうな顔をすると、冷たく弥生を見下ろす。
「・・・・・・・・・・。」
弥生は、神獣を睨み付けると、手を振りかざした。
それを見た神獣は、
「はっ!服従の印でも結ぶつもりか?生憎だが、てめ―みたいな新米の印に、掛かってやる程俺は」
と笑った瞬間
パァンッ!
乾いた音が、部屋に響いた。