私(獣師)と、あいつ(神獣)
「・・・・・や、弥生。」
弱々しい声に呼ばれ振り返ると、干支が罪悪感で、一杯の顔で、立っていた。
「ごめんね、弥生。お父さんが、あんな無責任な事言うから・・・。」
「んーん!父さんのせいじゃないよ!これも運命だと思って受け止めよう!ねっ?」
弥生は、首を横に振り
「じゃ、私、九ちゃんに報告しに行かなきゃだし、もう行くね!」
と、そのままパタパタと出て行った。
* * * * * *
「ただいま―!!九ちゃ―ん!!!」
「あっ!姫様、お帰りなさいませ!」
バターンと、勢い良く扉を開けると、九平が飛び上がって立ち、弥生の傍に走り寄る。
「お怪我は御座いませんでしたか?姫様。」
「うん!全然平気!」
弥生の肩を持ち、背中や、顔を覗き込む九平に、弥生は笑顔で返した。
それに、安心した顔になるも、すぐに九平は不安そうに顔を曇らし
「それで、あの・・・・。どうでしたか?」