私(獣師)と、あいつ(神獣)
「え?」
「な・・・・っ!!!」
不意に、背後から声がして振り向くと、開いた扉に背を預けて立っている、問題の神獣。
「あ、あんた、何時の間に入って来たの?」
「でけー妖狐の気配がしたから、立ち寄ってみたまでだ。」
「よ、妖狐って、あん「姫様、お下がりください。」・・・・っ!!」
弥生の目の前に、白く細い手が出される。
驚き、前を見ると、鋭い眼つきで睨んでいる九平が居た。
「・・・・炎龍・・・・貴様が何故、ここにいる。去れ。」
「はっ。おーおー、誰かと思えば、妖狐の頭領様じゃねーか。そりゃ、こっちのセリフだな。」
「何・・・・?」
「この俺様が何でわざわざ、こんな人間臭ぇとこに、来なきゃなんねーんだよ。」
「・・・・っまさか、貴様が・・・!」
「俺は、お前の後ろに居る《姫様》に、召喚されたんだよ。」
神獣は、とても冷たい目で私を、見た。
「ほ、本当ですか、姫様・・!?」