私(獣師)と、あいつ(神獣)
「ほう・・・」







九ちゃんが、金色の瞳をスッと細める。







「神獣は主に仕えて、初めて存在価値が見出せる。それが出来なければ、只の妖だからな。」








「そんなの、信じねーよ。俺はこいつを主とは認めねーし、人間も信用しない。
・・・・絶対に、な。」



















そう言った瞬間の、神獣の瞳が、少しだけ哀しみに染まった気がした。
















「ま、精々頑張ってみれば?新米獣師のお姫様よ。」



















皮肉と、憎悪の籠った、とても冷たい目を、私に向けると、そのまま神獣は消えてしまった。



















「・・・・・・・何、なの。あいつ・・・。」














私が、何気なく呟くと、













「・・・・・あいつは、最も強い・・・・、神獣の中でも最強の神獣と、謳われる奴なんです。
でも、人間を酷く嫌い、憎んでいる・・・・。」












神獣が消えた場所を、見ている様で、もっとその先を見詰めている九ちゃんは、
ポツリポツリ、と静かに消えてしまいそうな声で、言葉を繋ぐ。












「・・・・・姫様。」












「何?」














唐突に、九ちゃんは、私の方に顔を向け
















「・・・・・何か有りましたら、真っ先に、私に言って下さいね。」















と、私の髪を優しく梳きながら、ゆっくりと言った。









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