私(獣師)と、あいつ(神獣)
「姫様から離れろ。」











九平は、痛いほどの殺気を出して、神獣に抱えられていた弥生を奪い返す。

神獣は呆れたように肩をすくめると













「おーおー、朝から血の気の多い野郎だ。
俺だって、これ以上こんな女に触ってるのは御免だからな。」













そう言って、背を向けると、歩き出した。と、不意に何かを思い出し、再び、顔だけを弥生の方へ向ける。













「・・・・・良いか、10分で支度しろ。」









「は?」









「それだけだ。」











弥生が、口を開く前に、神獣はもう何処かへ行ってしまった。












「・・・・・10分で、支度・・?」







「・・・・・恐らく、学校へ行く準備をしろ、と言う事かと思われます。」








「・・・何で、あいつがそんな事を?」










九平は若干気まずそうに、目線を逸らしてから









「・・・・ご報告するのが遅れて、大変申し訳ありませんでした。」







「?何が?」








「獣師は、自分の選んだ神獣を生涯の相棒とする・・・と言うのは
つまり、これから姫様とあの神獣とは、毎日の生活を共にしなければならない、と言う事なのです。
ですから、あの・・・学校や、その他の日常等も含め、全てを・・・共に。」




















と、衝撃の事実を言った。


















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