私(獣師)と、あいつ(神獣)
ぺチぺチと、九平の顔に、優しく弥生の手が触れる。
九平は、驚いたように目を見開き、
「・・・・っ何時までも、同じ扱いをしないで下さい・・・。」
と、俯きながら、口元に手を当て小さく呟いた。
――――その頬と、耳を真っ赤に染めながら。
「ん?どうかした、九ちゃん?」
「・・・・・っ!い、いいえ?」
顔を覗き込む弥生に、ハッとした九平は、何時もと何ら変わりない笑顔で首を振る。
「ふーん?ま、とにかくもう気にしちゃダメだからね?九ちゃん!」
「はい、分かりました。」
弥生は、安心した様に笑い、居間へと向かった。
その後ろで九平が、一瞬、不安定に顔を歪ませたとも知らず。