私(獣師)と、あいつ(神獣)
そして、優しく笑うと
「じゃあ、彼はこれから、零斗・・・だね。」
「うん。零斗・・・・・。」
と、言った。
私も改めて、神獣の名前を呟いてみる。
やっぱり、自分で考えた名前ってなんか恥ずかしいけど・・・・
零斗・・・・・か。
零斗・・・・・れいと・・・・れ、い、と・・・
早く、慣れれる様に、何度も心の中で言ってみた。
零斗・・・・・・
ん?
「また、胸焼け・・・・?」
昨晩の様に、あの神獣の顔を思い出すと、胸がむず痒いって言うか、息苦しく感じる。
・・・・私、何か変なもの食べたっけ?
「おっと、そろそろ学校に遅れるよ―。」
お父さんに言われ我に返った私は、時計に目をやり、
「わっ、本当だ!い、急がなきゃ!」
慌ててご飯を掻き込んだ。
「じゃっ!行ってきまーす!」
靴を履き、トントン、と踵を踏み鳴らして、いざ行こうと足を踏み出した瞬間
「おい。」
「わ、あ!!!」
行き成り、後ろから襟首を引かれ危うく倒れそうになる。
振り返ると、深紅の瞳の神獣・・・じゃなかった、零斗が。