私(獣師)と、あいつ(神獣)

「良い?これからは、ちゃんと自分でやってよね。
やり方は、これをこの反対側の穴に、通して・・・」








「・・・・・。」






零斗は、私がボタンを付けている様子をジッと見ている。








「ハイ、これで終わり。簡単でしょ?」








「・・・・・フン。」









私が、付け終わると、零斗は無言で横を通り過ぎた。
・・・・・ありがとう位、言ってくれても良いじゃない。











「にしてんだよ、早くしやがれ小娘。」











零斗は、靴を履き、私を睨みつけながら言う。











「小娘ってあんたねぇ・・・・。」







「煩ぇ、黙れ。さっさと道を教えろ。」










鞄を持ち、立ち上がった零斗は苛々と足を踏み鳴らし












「俺は、お前に仕える気なんてサラサラ無ぇし、お前ら人間が居る学校なんて所も
吐き気がするほど行きたく無ぇ。」









と、何か宣言する様に言い放った。











「・・・・・じゃ、行かなきゃいいじゃない。」








「お前は馬鹿か?それが出来たら、こんな胸糞悪いとこ、とっくに出て行ってる。
出来ないから、俺様が我慢してやってるんだろ。感謝しやがれ人間。」









眉間に皺を寄せ、舌打ちをする。・・・かなりの御立腹なようで。



私は靴を履き、つま先をトントンと鳴らして











「じゃ、行きますか―。」








と、零斗の隣に並ぶと








「黙れ。隣に来るな。近寄るな。」










・・・・・・思いっきり睨まれました。








< 28 / 51 >

この作品をシェア

pagetop