私(獣師)と、あいつ(神獣)
「良い?これからは、ちゃんと自分でやってよね。
やり方は、これをこの反対側の穴に、通して・・・」
「・・・・・。」
零斗は、私がボタンを付けている様子をジッと見ている。
「ハイ、これで終わり。簡単でしょ?」
「・・・・・フン。」
私が、付け終わると、零斗は無言で横を通り過ぎた。
・・・・・ありがとう位、言ってくれても良いじゃない。
「にしてんだよ、早くしやがれ小娘。」
零斗は、靴を履き、私を睨みつけながら言う。
「小娘ってあんたねぇ・・・・。」
「煩ぇ、黙れ。さっさと道を教えろ。」
鞄を持ち、立ち上がった零斗は苛々と足を踏み鳴らし
「俺は、お前に仕える気なんてサラサラ無ぇし、お前ら人間が居る学校なんて所も
吐き気がするほど行きたく無ぇ。」
と、何か宣言する様に言い放った。
「・・・・・じゃ、行かなきゃいいじゃない。」
「お前は馬鹿か?それが出来たら、こんな胸糞悪いとこ、とっくに出て行ってる。
出来ないから、俺様が我慢してやってるんだろ。感謝しやがれ人間。」
眉間に皺を寄せ、舌打ちをする。・・・かなりの御立腹なようで。
私は靴を履き、つま先をトントンと鳴らして
「じゃ、行きますか―。」
と、零斗の隣に並ぶと
「黙れ。隣に来るな。近寄るな。」
・・・・・・思いっきり睨まれました。