私(獣師)と、あいつ(神獣)


「・・・・・・・・。」




「・・・・・・・・。」








・・・・・・・・物凄く気まずいんですけど。



私の後ろを、無言で付いてくる零斗。
・・・・・付いてくる、と言うには、かなり離れてると思うんですが。
零斗は足が無駄に長いくせに、絶対距離を縮めようとはしない。





「・・・・ねー。」




「・・・・・。」






無視。








「零斗ー・・・・・。」





「!!・・・・何だと?」







おっ、




「反応した。」










名前を呼ぶと、眉を顰めて私に視線を向ける、零斗。











「あ。」






そうか。私、こいつに名前を教えて無かったんだった。









「おい、小娘。今、何て言った?」






もう一度、零斗は私に聞いて来た。







「ごめんごめん。零斗、よ。あんたの名前の事なの。零斗って。」





「・・・・・干支から聞いたのか?」






「え?何を?」









やけに深刻そうな顔で、何故か父の名前を出す零斗。


意味が分からなくて、聞き返すと








「・・・・・知らない、のか?」








目を開いて、少しばかり息を呑み、驚いた表情になった。








「何の事よ。お父さんがどうかしたの?」







「・・・・・いや、分からないなら良い。」





「え?」









何なの?







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