私(獣師)と、あいつ(神獣)







「プハ―――っ!!!生き返った!よし行くか!!」












弥生は、立ち上がり、部屋を出て行こうとした。しかし、そこで止まり、後ろで動かない九平を見る。









「九ちゃん?どうしたの、行くよ?」













弥生は、不思議そうに、九平に訊ねると九平は、すまなさそうに眉を下げ












「誠に申し訳御座いませんが、姫様の儀式に同行する事は出来ません・・・・。」







「え、なんで!?」















弥生は、驚きの余り、声を荒げ九平に聞いた。九平は、一つ、深呼吸をして














「・・・・我々神獣は、他の札に、封印されている神獣が、何処の札に居るのか分かります。
その情報を伝えてしまうと皆、より強い神獣を選ぼうとするでしょう。
その結果、混乱が生じ、最悪の場合、戦争になりかねないのです。
だから、儀式を行う際、神獣が入らない様にその場所には、神獣にしか効かない結界を、何重にも張り巡らせるのです。
申し訳ありません姫様。この九平の無礼をどうかお許し下さい。」



















九平は、弥生に深々と頭を下げたまま、上げようとしなかった。








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