私(獣師)と、あいつ(神獣)







弥生はただ黙って九平を見ていたが














「・・・・うん、分かった。困らせてごめんね、九ちゃん。九ちゃんは悪くないよ。頭を上げて?」














と、九平に頭を上げるよう促すと、九平は直ぐに頭を上げ














「姫様は、何もお気に為さらなくて良いのですよ。一番大切な時に、お傍に居られなくて本当に、申し訳御座いません。
九平、離れてはいるもの、この姫様のお部屋で心から祈り、望み、そしてお待ちしております。姫様が、獣師になるその時を・・・・。」

















辛そうに眉を寄せ、真剣な眼差しで、真っ直ぐに弥生を見つめた。

弥生は、ニッコリと笑い


















「ありがとう、九ちゃん。ずっと、祈ってて!」















そう言うと、ドアノブに手を掛け、少しドアを開けるとまた、九平の方を見て
















「・・・・・その願い、絶対叶えてあげるから!!!」



















バタン!と、ドアは勢い良く閉まり残された九平はしばらくポカーンとしていた。


そして、















「・・・・・ふ、ははっ。」













「・・・・・・お優しい姫様、どうか頑張って下さい・・・・。」















と、両手を合わせ、静かに目を閉じた。


























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