私(獣師)と、あいつ(神獣)
と、干支は、バサバサっと分厚い束になっていた札を、トランプの様に畳の上に並べる。
「儀式の方法は至って、シンプルかつ簡単!壱から壱億の、間で思いついた数字を言えば良いだけ!ね?簡単でしょ?」
「え、書物、関係無くね?」
「それはそれ、これはこれ。」
「ふざけんなよ、くそオヤジ。」
弥生は、干支を睨むとたくさんの札の前へ座り、ゆっくりと目を閉じた。
「あ、そうそう。」
ふと、隣に座っていた干支が口を開く。
「・・・・・・何よ。」
「獣師と異性の神獣が当たる札は、この一億枚にたったの一枚しか入って無いから。」
「は?何で?」
弥生は、目を開き、干支を見る。干支は
「昔からの掟でね、って言っても、最初の頃は無かったみたいなんだ。」
「・・・・・へぇ。で?」
弥生は、早く言えと、干支を急かした。
「もう、こっからだよ弥生ちゃん☆最初の頃は、獣師と異性の神獣、同性の神獣が、半分半分に組み合わされて儀式をしていたんだけど、
ある時、異性の神獣を引いた獣師が、その神獣に恋をしてしまったんだ。」
「・・・・別に良いじゃない、恋をするぐらい。」