私(獣師)と、あいつ(神獣)
弥生がそう言うと、干支はチッチッチと、指を左右に振り
「違うんだな―これが。獣師は、神獣に恋をしていたって言ったけど、実は、神獣も獣師に恋をしていたんだよ。
さて、お互いに惹かれあった人間は、どんな行動に出ると思う?」
「・・・・・そりゃ、両方好き同士だったら、結婚したいって思うでしょ。」
干支は指をパチン、と鳴らしそのまま、その指を弥生に向ける。
「そう、それ。まさにその通り二人は結婚をした。・・・・・そして」
真剣な顔になった干支に、弥生は緊張し、ごくりと唾を飲み
「そして?」
「・・・・・・獣師とは、結局は普通の人間。しかし神獣は・・・いわば神だ。
只の人間と、尊い神との間に生まれた子供なんて・・・・世間に許されると思う?」
「え・・・でも、結婚して」
「確かに、結婚はした。でもそれは、本人達の自己満足に過ぎない行為。
周りは猛反発し・・・・・認められてはいなかったんだよ。」
「な・・・・。」
「そして、産まれた子供も半分は神の血が、混ざっている。そんな子供を人間が世話し切れる訳無いだろう?・・・・子供は、己の能力で暴走し、他の神獣や、獣師が止めようとしたけど、
相手は理性も何も分からない赤子・・・・全ての力をコントロールせず思い切りぶちまけ、最終的には・・・・・世界の半分が壊滅したんだ。」
「え、!?」
弥生は、目を見開き、思わず立ち上がった。
「う、そ・・・・・。」