画面越しの恋人
ボクはその日、ふわふわと浮わついた気持ちで家に帰った。明日から始まる愛らしい恋人との甘い学校生活を思うと、顔がにやけるのを抑えられない。
自室に入るとボクは無意識のうちにゲームを起動していた。この半年のうちに習慣化していたらしい。
昨日エンディングを迎えたんだから、もう起動しないだろうな……。そう思っていたのに、予想に反してゲーム画面はパッと明るくなった。
夕陽に照らされた廊下のグラフィックが映し出され、主人公の内面がテロップとして流れる。
『放課後、ひとりで廊下を歩いていると、向こうから女の子が両手いっぱいにプリントを抱えて――』
見覚えのある内容に首を傾げる。目の前でヒロインである「よしのれいこ」がプリントを落としたところでボクはすべてを思い出し、言葉を失った。
それはゲームを始めて最初に見た、「よしのれいこ」との出会いのシーンだったのだ。
自室に入るとボクは無意識のうちにゲームを起動していた。この半年のうちに習慣化していたらしい。
昨日エンディングを迎えたんだから、もう起動しないだろうな……。そう思っていたのに、予想に反してゲーム画面はパッと明るくなった。
夕陽に照らされた廊下のグラフィックが映し出され、主人公の内面がテロップとして流れる。
『放課後、ひとりで廊下を歩いていると、向こうから女の子が両手いっぱいにプリントを抱えて――』
見覚えのある内容に首を傾げる。目の前でヒロインである「よしのれいこ」がプリントを落としたところでボクはすべてを思い出し、言葉を失った。
それはゲームを始めて最初に見た、「よしのれいこ」との出会いのシーンだったのだ。