《Mimics》
□プロローグ□
――ふわり、と私の金髪が宙を舞う。
軽く巻き毛になっている私の身長よりも長い髪。
だが、その髪は背中には当たっていない。
なぜか?
宙を舞っているからだ。
目の上で無造作に切られている前髪。
右手の人差し指でくるくると弄ぶ。
私が着ている服は真っ白。
白は好きな色だから。
袖がなく、シンプルなワンピース。
薄い水色のリボンで腰の辺りを縛っている。
そして、背中の肩甲骨より少し内側にある、ソレ。
私の身長より大きなソレ。
太陽の光は透明なソレを通り抜ける。
「気持ちいいー‥‥」
私の背中から生えているソレは、昆虫の背中に生えているものと同じ。
透明な美しい形状の羽、だった。