《Mimics》
その後ろについていく私。
いきなり、女が歩みを止めこっちを振り向いた。
「セリーヌ=フラソソワーズ・シャルパンティエよ。あなたは?」
女の名前か。
名前‥‥。
そうだ、まだ決めてない。
私は普段、仲間から“歌姫《ディーヴァ》”と呼ばれている。
固体判別のための名だ。
「そうね」
「どうしたのよ?」
女が顔を近づけてくる。
女を見、はっきりと口にする。
女の瞳は蒼かった。
「‥‥ディーヴァ」
「あなたの名前?」
「ええ、ディーヴァ・フェレオル」
「変わってるわね。オペラ歌手にでもなるのかしら」