《Mimics》
「セリーヌ姉様は、人を驚かすのが大好きなんです」
メイド服から、鮮やかな水色の薄手のドレスに着替えたアレクシアが話す。
階段を上り、目の前の通路を真っ直ぐ進んだ右手にあった部屋。
そのセリーヌの部屋に私たちは座っている。
「最近は、街の者が皆、私の顔を覚えてしまって、つまらなくなっていたのよ」
今、セリーヌが着ている服は、シンプルな薄手の黄色いドレスだ。
今の会話には驚いた。
町の人に覚えられるって‥‥。
どれだけさっきのようなことをしていたんだろうか、この2人。
私はさっきと同じく、真っ白のドレス。
ただし、セリーヌがさっき、ドレスの下に着ている安物のペティコートの存在を教えてくれたので、それを脱いでいる。
アレクシアや、セリーヌと同じような格好になった。
「セリーヌ姉様が知らない方をこの屋敷に入れるのは毎日のことなんです」
おそらく、怪訝な顔をしていたらしい私に、アレクシアが説明してくれる。
「ディーヴァがいてよかったわ」
「同年代の人だなんて、久しぶりです」
2人は喜んでいるらしい。