《Mimics》
「アレクシアさん、あの‥‥」
「どうぞ呼び捨てで呼んでくださいまし、ディーヴァ様」
「ありがとう、アレクシア」
「あっ、ディーヴァ、私も呼び捨てでね」
「セリーヌは呼び捨てのつもりだったけれど?」
「‥‥」
「ふふふっ。ディーヴァ様って面白いですわね」
アレクシアが床に敷いたカーテンの前に、手にした筒型をおいていきながら言う。
どうやら、今は話しかけないほうがいいようだ。
「導火線をつなげるには‥‥」
手を止め少し悩んでいる。
だが、すぐに作業を続け、いきなり私の手を掴む。
そのまま扉の近くに引っ張っていき、壁に寄りかかる私とアレクシア。
「そろそろリゼットの足音がしてきましたわ、姉様」
「あら、本当」
「あ‥‥」
コツコツという足音。
そして、良く通るアルト声。
『セリーヌ様、入りますよっ』