《Mimics》
そして、四つん這いに倒れこむ。
「リゼットったら」
今度は、アレクシアがマッチを擦った。
手にした長いひも状の物。
それはあの、リゼットの目の前にある筒型のものにつながっている。
リゼットは自分の後ろの、扉の陰に隠れている私達に気がつかない。
そして、盛大なる破裂音。
「わーっ!?な、な!!火薬っ!!」
(筒型のアレは火薬だったのね!!)
(そうですわ、ディーヴァ様)
リゼットがぱっと立ち上がり、避けようと――
「残念!!」
リゼットがちょうど踏んでいた水色のカーテン。
それを、セリーヌが力いっぱい引っ張った。
「うわっ!!お、お嬢様っ!?」
バランスを崩し、リゼットが転ぶ。
「ディーヴァ様」
「え?」
アレクシアが私の腕を引っ張り、扉から部屋の外にでる。
セリーヌも一緒だった。
「私達の勝利!!」
セリーヌがそういいながら扉を閉める。
『お嬢様――っ』
部屋の中に取り残されたリゼット、と思われる人物が叫んでくる。