《Mimics》
「一ヶ月に一回程度やっているわ。今のとこ29勝22敗」
「リゼットも強くなったものですわ」
「何年前からやってるのよ‥‥」
「えーと、リゼットが来た時からだから‥‥」
「4年と少し、ですわ。無能な姉様」
「そうそう、さすがアレクシア‥‥って!無能って何よ!!」
アレクシアはセリーヌの言葉を全くの無視で、つんとすましている。
眉が、少しつり上がっているように見えた。
セリーヌを睨み付ける様にはっきりと見つめるアレクシア。
「セリーヌ姉様、忘れるなんて酷いですわ」
「うっ‥‥、違うわよ、計算が出来なかっただけよ」
「姉様には学がないんですのね」
「っな‥‥、ひ、酷いのはそっちじゃないのかしら~?」
眉間にしわを寄せ、必死に笑顔を作ろうとするセリーヌ。
アレクシアは、セリーヌがリゼットが来た日のことを忘れていたことに怒っているらしい。
セリーヌも、そのことに関しては申し訳ないと思っているようだ。
アレクシアがそっぽを向く。
その仕草に、表情を歪めるセリーヌ。
セリーヌ自身にも、自分が怒っているのか後ろめたいのか、わかっていないのかもしれない。