《Mimics》

「残念~」

「反省室に行かないだけ良かったですわ、姉様」

「‥‥けほっ」


リゼットがこちらを向く。

はっとし、慌てて礼をするリゼット。


「お客様、大変失礼しましたっ」

「あ‥‥、いえ、あの‥‥」

「ディーヴァ・フェレオル様よ、リゼット」


隣のセリーヌが私を紹介する。

さっき、アレクシアがリゼットに化けていた時と同じで、貫禄が出ていた。

目つきが鋭くなっている。

が、すぐにいつもの表情に戻る。


「あ、あのっ!!」

「?」


思わず、大きな声を出してしまった。


「どうしたのよ、ディーヴァ」

「どうしたのですか、ディーヴァ様」


セリーヌとリゼットが訊いてくる。

アレクシアは私の顔を見ると、ああと納得した顔つきになり、リゼットの腕をぐいっと引っ張った。

リゼットが私の前に来る。
< 29 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop