†Bloody Cross†






――――キーンコーンカーンコーン






深く考え込んでいた俺の耳にチャイムの音が聞こえて、思考が覚醒する。

……今の、何時間目のチャイムだ?

この学園には時計がないから、時間の確認ができなくて不便だ。

でも今回は、周りの様子を伺うだけで、時間が容易に想像できた。

急いで弁当を抱えて、教室から出ていく女子たち。


「はぁ〜、やっと昼飯食える……。おい!食堂行くぞ!!」


「今行くから、ちょっと待てよ!!」


こんな会話をクラスの奴が教室のあちこちで交わしてんのを見聞きしたら、誰にだって簡単に分かるだろうけどな。

昼休みって事は、そろそろ……






「永遠、ご飯食べに行こーよ」






……やっぱ、来たか。


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