†Bloody Cross†
教室前にいるソイツは男子にしては少しキーの高い、甘ったるい女のようなしゃべり方をする。
俺は盛大に溜め息を吐きながら、廊下側の窓から顔を出したソイツのところに歩くいていく。
「彼方……、学校ではあんま一緒いると目立つって言っただろ」
「え〜、別にいいじゃん。2人のほうが"食事"、楽でしょ?」
確かに2人のほうが楽ではある。
でもな……俺らの同種族を殺した奴がここにいるってのに、堂々と"食事"して平気なのか??
ハニーブラウンの髪に合った、色素の薄いブラウン色の瞳を細めて笑う。
それはどことなく挑発的な笑みで……
「……分かった。でも、肝心の"アレ"はどうすんだよ?」
なんとなく考えていることが分かった俺は、今回は行動を共にすることにした。
多分、彼方はあっちから来てもらおうとしてんだろう。
さすが、第2王族の次期王位継承者って感じか……。
「そんなの、簡単にどーにかなるよ」
窓の縁に肘をつき、頬杖をつきながら彼方は更に笑みを深くした。
ほんと顔に似合わない大胆な行動は、嫌味抜きで本気で感心する――――……