†Bloody Cross†


「ねぇねぇ、あの2人カッコよくない?!」


「ほんとだ!一緒にいる女子って、どっちかの彼女かな??」


「あんな普通そうな見た目の子が、そんなワケないじゃん!!」


「確かにそうだよねぇ〜」


馬鹿らしい女子たちの会話が、聞きたくなくても耳に入ってくる。

ヴァンパイアである俺たちは五感が人間なんかより断然優れている。

それ自体はいいんだけどな……と、チラリと隣を歩く会話の種に目をやれば笑顔の横顔が見えた。

俺と彼方に挟まれるようにして歩いている俺らの食事対象である少女は、そんな会話がされていることも知らずに彼方と楽しそうに話している。


「そういえば、どこでお昼食べるの?彼方くんはどこかに向かってるみたいだけど……」


ふと辺りを見回しながら彼方に問い掛ける食事対象の少女。


「それはね……」


彼方は再び意味ありげに微笑む。






「3人でゆっくりできるところだよ――――……」






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