†Bloody Cross†
「先に喰っちまうけど、構わないよな??」
「んぅ……やっ!!」
少女の首筋に指を這わせながら、上目で彼方に問い掛ければ、少女の顔を見ながら目を細めて笑う。
「別にいいよ。僕はさっきの休み時間にも補充してきたし。それにさ……ここからその子が怯えてる顔を見てるのも悪くないしね」
相変わらず悪趣味だな……。
彼方と一緒にはいるけどそんなのわざわざ見たいとも思わねぇし、やっぱ普通じゃねぇ。
まぁ、今更気にしたって無駄だな……。
「んじゃ、遠慮なく」
指先で首筋を通る動脈を確認する。
ドクンドクンと脈打つ血管を見つけ牙をたてようと舌先で舐めあげれば、逃げるように頭を動かす。
ったく、喰いにくいな……。
片手で少女の顎を固定して、白い首筋を露にする。
――――プツッ、ゴクッ
「いっ……う、ぁ」
少女の身体から力が抜けていくのを感じ、咄嗟に肩に回していた腕を腰に移動させて支える。
牙で破いた首筋からとめどなく溢れでて、口に血特有の甘い味が広がる。
鮮血が俺の口から溢れ、俺の顎と少女の首筋を伝い落ちていった――――……