†Bloody Cross†
「……」
口元に笑みを浮かべる俺を、蒼は無言で冷めた瞳で見つめる。
「……」
俺もそれを無言で見つめ返す。
陽の落ちた森は静かで……無言の時間がとても重く感じ、息が詰まる。
俺の頬を冷や汗がつたい落ちる。
夜風が木々を揺らし、月光に光る蒼の銀髪を吹き上げた。
どれくらい経ったのか……かなり長く感じた沈黙を破る落ち着いた蒼の声が俺の耳に届いた。
「永遠のことは、殺さない……」
「……はぁ?」
あまりにも予想外な言葉に俺の口からは気の抜けた声が出た。
今、蒼なんて言った??
"殺さない"とか……言ったように聞こえたのは気のせいだよな??
俺は訝しげに蒼を見て、言葉を選びながら蒼に問い掛ける。
「俺の聞き間違いじゃければ、"殺さない"って言ったか……??」
俺の問いに蒼は、首を縦にゆっくり振った。
「言ったわ。"永遠は殺さない"って、ね」
蒼は口の端を上げ妖しい笑みを浮かべると、俺の眼前に向けていた剣をゆっくり下ろした。