†Bloody Cross†
「殺さないって、どうゆう事だ?さっき俺がやったみたいに油断させといて、隙あらば……ってか??」
剣が眼前から消えたため、俺は強く問い掛けた。
強気の俺に視線を向けたまま、困惑とも呆れともつかない表情で呟いた。
「どうゆうって……そのままの意味だけど。……と言うか、あたしはそんな姑息な方法使わないわ。使わなくても平気だしね」
蒼は剣を右手に握ったまま、俺を見ながら言い放つ。
「そのままって……ふざけてんのか?」
強く睨み付けながら問い掛ければ、蒼はかすかに眉間に皺をよせた。
「命を狙ってきた相手に、ふざけてこんなこと言うわけないでしょ??それとも……」
蒼は一度言葉を区切ると、おろしていた剣を今度は俺の首筋に突き付けた。
「……死にたいの??」
首筋に走る剣の冷たい感触に俺は息を呑んだ。