†Bloody Cross†
冷たく俺を見つめる瞳は闇夜で煌めき、月光に照らされた銀髪よりも綺麗だと思った。
突き付けられている剣の冷たい感触が俺の意識を鮮明にさせる。
混乱していた思考が冷静さを取り戻し始める。
俺は目を閉じ、静かに口を開く。
「死にたい……のかもな。俺は、自分より強いヤツに殺されるなら本望だと思う」
口から紡ぎだされた言葉は闇に溶けるように……。
そして、俺の心情をしっかりと表してる気がした。
「……そう」
蒼の呟きも何故か闇に溶けるほど小さく、弱々しく感る。
ヒヤリとした剣が首筋に少し食い込み、それだけで剣に力がこめられたのが分かる。
剣を少しでも引けば俺の首筋が鮮血が流れ出るんだろう。
そんなことを意外と冷静に考えていると、首筋から再びヒヤリとした剣の冷たさが遠ざかっていった。
そして……
――――キィィン……
耳元で金属同士がぶつかり合う甲高い音が聞こえた。