†Bloody Cross†
――――キィンキィンッ
「くそっ…!!なんで俺が狙われんだ?!!」
「狙われている本人が分からないのに、あたしに分かるわけないでしょ??」
一気に何本も飛んでくる短剣を、自らの短剣で弾きながら呟けば、蒼からは冷静な声が返ってくる。
俺はなぜか蒼が背中合わせで攻撃を防いでいた。
確かに俺ひとりじゃ、応戦できそうもないし……そりゃあ、助けがあんのはありがたい。
でも普通さ、自分を襲ってきた相手を助けたりするか……??
――――キィィンッ
「くっ……!」
「余計なことを考えていると、死ぬわよ」
よそ見をしていた俺を見えぬ敵からの攻撃が捕え……それを蒼が当然のように防ぐ。