あなたとの時間
あたしはメリーゴーランドの前のベンチに座っていた。
するとはいと陽さんはあたしにオレンジジュース缶を手渡した。
あたしはありがとうございますと受け取り飲み始めた。
陽さんは意外といちごオレを飲んでいた。
か、カワイイ♪
陽さんってそんなの飲むんだぁ♪
あたしはニヤニヤと笑っていた。
「何ニヤニヤしてるんですか?」
陽さんはあたしの顔を覗き込んで、ん?と問い掛けて来た。
「いや、カワイイなぁと思って♪」
「な、何がですか!?」
「意外といちごオレなんだなって」
そう言ってあたしはいちごオレを人差し指で指した。
「こ、これはたまたまです!!いつもは違うものを……」
陽さんは言い訳を繰り返していた。
カワイイなぁ…♪♪
あたしはずっと笑っていると急に陽さんがあたしの右手を握ってきた。
「梨奈さん……」
陽さんは真剣な目であたしを見てくる。
トクン…トクン…
あたしも陽さんの真剣な目に引き込まれていく。
「……梨奈さん、僕は最初に会った時から梨奈さんのこと……」
嫌だよ…
先の言葉があたしが言うんだよ。
あたしが先に言いたいんだよ……
あたしは陽さんの口に人差し指を立てて口を塞いだ。
「陽さん……好きだよ」
あたしは今まで募っていた二つの文字をいった。
キャー/////
あたし言っちゃったよ…
恥ずかしい////
あたしは下に俯いて顔を真っ赤にした。
陽さんは最初はとても驚いていたけど笑顔になってあたしの頭を撫でた。
「梨奈さん……。僕も好きですよ」
そう言ってあたしの顔を上げさせた。
そして陽さんはあたしの唇に優しくキスをした。
その優しいキスにはあたしの愛をたくさん込めた。
初キスは陽さんの優しくいちごオレの味がした。