この想いを君に… −三つ子編−
…いくら俺が羽曳野と合わないと言っても、羽曳野のお父さんはお客さんでチームのスポンサー。

悪い顔は出来ない。

一時期、俺個人のスポンサーに名乗り出てくれたけど、パパが上手く断ってチームとしてのスポンサーとしてついてくれた。

こんな不況で有り難い話はないけれど。

裏では俺と羽曳野が付き合うように圧力が多少掛かっていた。

だから…

パパが断ってくれた。

俺がまだ祥ちゃんほど実績がない事。

そんな中、ついて貰ってもガッカリさせる可能性が高い。

それに息子を売る気はない。

そして、やり手のパパが出した案はチーム全体のスポンサー。

チームには俺以外に祥ちゃんとむっちゃんがいる。

その2人と同じように俺を応援して欲しい。

そして何より。

一度レースを見て欲しい、とパパが言ってようやく今日親子共々やって来たのだ。
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