この想いを君に… −三つ子編−

− 知樹 −

「智道、俺が送って行こうか?」

光さんが車のキーをブラブラさせながら言う。

「いや、いいよ」

俺は手を左右に振った。

元々、大きな本屋に電車に乗って出掛けた俺。

偶然、帰宅途中の智道を見つけて一緒に本屋に行って受験の参考書を選んで、バイク雑誌を立ち読みして。

お腹空いたけど二人とも所持金少なかったので俺の家に連れて来て、ママに食事を作って貰って今に至る。

帰りは車で送って貰うとなるときっと智道は気を使う。

駅まで俺が送っていこう。

ついでに桜も一緒に行けばいい。

少しでも長い時間、一緒にいて欲しいから。
< 120 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop