この想いを君に… −三つ子編−
「じゃあ、知樹」

ママが俺に手を振ったのは泰樹のクラスの前。

廊下に出された椅子にちょこっと座っている泰樹。

ママを待っていた。

次は泰樹の番だった。

「先に帰るよ」

俺が手を振って歩き出した瞬間、泰樹のクラスのドアが開いた。

中から出てきたのはミチルと母親。

…親子ソックリだった。

「あれ?」

ミチルが小さく声をあげる。

「おお!」

俺が手を挙げるとミチルの母親はしかめっつらをした。

付き合っている事を知らなさそうだ。

軽く頭を下げて立ち去る。



今はまだ、これで良いよな?
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