この想いを君に… −三つ子編−
「…お前、そんな事、よう聞くなあ」

今まで黙っていた光さんが口を開いた。

「真由ちゃんにとってはどちらも大切に決まってる」

その言葉にママはうん、と頷いたけど…

「どちらか一人を選べって言われたら選べない。
でも、拓海くんがいなければ私はそーちゃんには出会えなかった。
拓海くんが私にむっちゃんを遺してくれたからそーちゃんと一緒になれたの」

ママは俺を真っすぐ見つめて微笑む。



そう、拓海くんがいなければ。

俺達がここにいる事もなかった訳だ。
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