この想いを君に… −三つ子編−
新体操を始めたのは3歳。

知樹がむっちゃんとポケバイをするようになって、私や泰樹も習い事を…となった時。

私はたまたま見た所属クラブの発表会で演技していた人が綺麗だったのでやりたい、と言ったらしい。

泰樹は音楽の才能が豊かで小さい時から歌も上手かった。

だからピアノを習いはじめた。



それ以降、私はバレエレッスンと新体操のクラブを掛け持ち。



そして。

ロシア人のアンナに出会う。

私がまだ6歳の時、アンナは日本に語学留学に来た学生だった。

その前年、アンナは17歳で新体操選手を引退して選手時代に訪れた事もある日本に留学してきた。

「サクラ、上手!!」

アンナは初めて見た私にそう言った。

たまたま募集していたクラブの新体操コーチ。

学業の合間を縫ってアンナはコーチというバイトを始めた。

それからアンナは私に色々な事を教えてくれた。

ロシアでは選手層が厚すぎて代表になるには相当大変だという事。

アンナも代表に選ばれたり選ばれなかったり。

怪我もあって17歳で辞めてしまった。

その分、今まで出来なかった勉強をしよう、と思って日本にやって来た事。

その後2年、アンナはコーチをしてくれた。

その時の基礎が今、役に立っている。
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