この想いを君に… −三つ子編−
「とりあえずおめでとう」

帰り道、ミチルに言うと

「ありがとう〜」

半泣き状態で俺を見つめた。

「また3年間、よろしく」

俺の言葉に頷くミチル。

歩きながらようやくホッとし始めた。



行く予定ではなかった高校。

今でも少しでも長くバイクに携わっていたいと思う。

…でも。

せっかく行くのだから楽しく過ごしたい。

ひょっとしたらこの先、自分の人生を大きく揺さぶるような人にも出会えるかもしれない。



そして何より。

自分の心を癒してくれるミチルと一緒なのが、嬉しい。



俺は新しい生活を目の前に、少しだけドキドキしていた。

まるでレースに出る寸前みたいに。
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