この想いを君に… −三つ子編−
「色々頑張って売れていくのはいいけど…
泰樹くんが遠い人になる」

頬を膨らませて言うゆかりは…そりゃ、もう。

可愛くて仕方ない。

「大丈夫だよ」

僕は微笑んだ。

「売れても何をしても僕はゆかりの彼氏だし」

その瞬間、ゆかりは完熟トマトのように赤くなる。

「…高校も離れてしまうけど、時々彼氏らしく迎えに行くよ」

…ライブで忙しいけど。

その合間を縫って、会いに行こう。

「ゆかりは毎回僕のライブに来るんだよ?
何があっても」

少し意地悪な約束。

「…泰樹くんってSっ気あるよね」

目を半開きにしてゆかりは僕を睨む。

思わず笑って

「僕は独占欲が強いから。
そんな風に縛りつけたくなるの」

ゆかりはますます顔を赤くした。
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