この想いを君に… −三つ子編−
「サクラ!!」

パッと目を開けた。

懐かしい声。

まさか!!

私は立ち上がって声のする方を見つめる。

「…アンナ!!」

そこにいたのはアンナ・シェフチェンコ。

少し老けた感じだけど、相変わらず綺麗だった。

6年ぶり。

「久しぶり」

前よりも日本語が上手くなっていた。

「アンナ、どうして…?」

私は信じられなかった。

留学期間が終わってロシアに帰ってしまったアンナ。

もう、会う事はないと思っていたのに。

「その話はまた後で…、それより、予選頑張りなさい。どれだけ成長したか、楽しみにしてる」
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