この想いを君に… −三つ子編−
「知樹、掃除はいいから用事、早く済ませろよ〜」

授業が終わり、俺はクラスの野郎共から声を掛けられる。

掃除よりもお返しを先にしろ、だって。

ありがたい。



しかし。

こんな時に限って早く渡したい羽曳野がいない。

…ゴミを捨てに行ったか。

仕方なくクラスにいる女の子達に返す。

あっという間に配り終えて…

残りは羽曳野と八尾。

…八尾は黒板を拭いていた。

後に回したいけど仕方ない。

「委員長!」

声を掛けると涼しげな顔をこちらに向けた。

一瞬、ドキン。

「これ、お返し」

「ありがとう!」

委員長は笑って受け取ってくれた。

勢い余って…

このまま…

言ってしまおうか?
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