この想いを君に… −三つ子編−
「アハハハ〜!!」

夕食時の我が家はいつもより増して賑やかだった。

話のネタは羽曳野が倒れた、あの話。

パパなんか…パパなんか!!

顔を真っ赤にしてコタツ布団に顔を埋めている。

「私も巻き添い食らったわよ」

桜は頬を膨らませた。

羽曳野が目覚めるまで、俺は保健室で待機させられた。

倒れさせた責任取れ、だなんて担任も酷い。

ちょうど保健室に入る時に下校しようとしていた桜に会って…

事情を説明して付き合って貰った。

「羽曳野さん、目覚めた時に『何であんたもいるのよ〜?』って顔してたな」

膨れっ面になって桜は続けた。

「気に入らない」

殺意丸出しの桜の目が怖い…

「だいたい、知樹が嫌がっている事、周りはみーんな知ってるのに。
世の中、苦労せずに自分の思い通りになるって思い込んでいるのがホントムカつく!」

桜は何か、思い出しているかの様に話をする。

「絶対に知樹をあの子の彼氏になんてさせないから〜!!」

俺ももちろんお断りだよ!!
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