この想いを君に… −三つ子編−
「パパ、ママ」

家に帰って、夜遅く二人の部屋をコッソリと訪れる。

「どうしたの?」

「高校の事なんだけど…」

「気を使わなくても行きたい所に行けばいいよ」



いきなりパパに言われて私は戸惑う。

どうしてわかったの?



「むっちゃんの学校がいいなら行けばいいよ。
隆道の子供も今年入学だろ?」



私の顔が赤くなる。



「誰かに聞いたの?智道くんの事???」

「誰にも聞いてないよ」

パパが吹き出す。

…えっ、何?

ますます私の顔は赤くなる。

ママが苦笑いをしていた。

「…まあ、あいつの親が問題あるかもしれないけど頑張って」

「問題って、何?」

パパからそんな事を言われたら不安で仕方がない。

「…まあ色々。付き合っていくうちにわかると思うけど」

「えー!!」

思わず不満の声が出てしまう。

「俺と隆道は…昔は純粋に友達だったけど。
ある出来事を境に段々気まずくなって。
更に今では同じような仕事でも立場が違うから…
ま、色々あるんだよ」

パパは少し俯きながら苦々しく呟いた。
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