この想いを君に… −三つ子編−
「…パパ」

私は部屋を出る時に振り返ってパパを見つめる。

「誰かに聞いたの?」

「誰にも聞いてないよ」

パパは笑っている。

「…じゃあどうして?」

「親の勘」

パパは相変わらず笑っている。

…納得いかない。

私は不服そうな顔をして出ようとして

「もし何か…」

パパの声が聞こえたのでもう一度振り返った。

「智道の両親に嫌な事を言われたらいつでも言って。
ただ、それだけ」



パパの言葉が。

苦しかった。
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