この想いを君に… −三つ子編−
「知樹、すごーい!!」

声を上げたのは弟の泰樹。

俺は4人の兄弟姉妹のうちの一人。

一番上が3歳年上の睦海。

その次は三つ子。そのうち俺は一番先に生まれた。

二番目に泰樹。

三番目に桜。



「僕は3つだったよ〜」

泰樹は嬉しそうに笑う。

その辺りが幸せのラインかもしれない。

「ただいま〜…ゲッ」

新体操のクラブから帰ってきた桜はテーブルに置かれたチョコの山を見て明らかに嫌そうな顔をした。

桜は新体操の為に食事には気をつけているからこんなチョコの山を見ると吐きそうになるのだろう。

「知樹、なんでそんなにモテるんだろ?」

桜は首を傾げた。

それは俺自身も思う事だ。

「それは知樹がバイクに乗ってレースに出てるからだよ〜」

泰樹はのほほんと言った。

「…そんなの、みんな実際には見てないだろ?」

学校の同級生が応援に来てくれたという記憶はあまりない。

泰樹は首を振って

「案外、パパのチームはニュース番組の地方の特集で放送されたりするから、みんな見てるよ」

確かに、取材は何回も入られているけど。

そんなので影響されるのか、女子は?
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