この想いを君に… −三つ子編−
「…羽曳野がしてよ」

「えっ?」

ふて腐れたまま、俺が言うと羽曳野は目を丸くした。

「…俺、やる気ない」

そう言って机に伏せた。

本当にやる気ない。

しばらく羽曳野は俺の机の前に立っていたけれど。

やがて立ち去った。



「…サイテー」

後ろから女子の声が聞こえる。

この声は羽曳野の取り巻き。

お前らにサイテー呼ばわりされたくない。



どうせ…

「協力する!」

と、羽曳野に言ってクラス中に手を回したに違いない。
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