この想いを君に… −三つ子編−
「多分そうだよー」

俺は廊下で会った桜と一緒に帰る事にした。

「だって…羽曳野さんの友達がそう話しているのをたまたまトイレで聞いたもん」

やっぱり…

俺はため息をつく。

「私が入った途端、あの子達、黙り込むし…
私にバレたら自分達の悪行が知樹にバレるからね。
知樹も大変だよね〜」

同情されると余計に虚しい。

「ねえ、知樹」

桜がちらっと俺を見る。

「ミチルに告っちゃいなよ!」

心臓が止まるかと思うくらい、桜のその発言に驚いたし、そんな勇気は俺にはない。



俺はゆっくり首を横に振った。
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