この想いを君に… −三つ子編−
「…私が言うのも何だけどさ」

桜はまっすぐ前を見て歩いていた。

「ミチルも好きだよ、知樹の事。
付き合ってしまえば…知樹が強引にそうしてしまえば羽曳野さんは諦めるよ」

自分さえよければ、ね。

でも…

「周りの反発が強くなるし、八尾に危害が加えられたら…俺は耐えられないよ」

「へえー、知樹にも繊細なところがあるんだ!!」

ほっとけ!!

「でもね、知樹」

桜は急に立ち止まる。

俺も足を止めた。

「私は知樹に幸せになってもらいたい。
この先、更に色々な事があるだろうから…
だから知樹を支えてくれる女の子がいてくれたらいいなって…」

その女の子が八尾なら…

確かにどれだけ嬉しい事だろう。
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