この想いを君に… −三つ子編−
「…でも俺は」

止めた足を再び前に進める。

桜も付いて来る。

「俺の事で誰かが傷つくなんて耐えられない」

羽曳野の事は好きにはなれない。

だからといって傷つけるのは違うと思う。

八尾と付き合えば羽曳野は傷つく。

…ならば。

「やっぱり俺は誰とも付き合わない方がいいんだよ」

桜を見つめて苦笑いをした。



西に傾いた太陽が俺達を照らす。

桜と俺は黙々と歩いていた。

それが切なくて苦しくて。
堪らなかった。
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