この想いを君に… −三つ子編−
「…またお返し買いに行かないといけないの?」

むっちゃんは嫌そうに言う。

「…嫌ならいいよ」

俺は俯いた。

去年もうんざりしていたのを見てるから。

「知樹」

ママは俺の名前を呼んで微笑む。

「私と一緒に行こう」

「うん」

俺も微笑んだ。

むっちゃんはホッとした様子でチョコの山を見つめていた。

…そりゃ、嫌だろうな。

大量に買わなければならないしお返しだけで一体いくらかかるんだろう。

…貯金、あったかなあ。



「ただいま」

玄関からパパの声が聞こえる。

きっと…これを見たら…

「何これー?」

やっぱり…

「二人合わせて?」

パパは俺と泰樹の顔を見つめる。

「違う、知樹」

泰樹は首を横に振りまくる。

「へぇー!モテるんだ!!」

パパは目を丸くしながらも喜んでいる。



俺はため息をついた。

…重い。
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